SUSE Linuxが名前も「openSUSE」になりバージョンもずいぶん上がっている今もなお,拙著「はじめてのSUSE Linux 10」を御愛読いただいているみなさまに、openSUSE10.2に対応した情報をお届けします。毎月上旬には更新事項があり次第反映させて行く所存ですので、これからも本ページをチェックして見てください。
目次インストール・設定編
KDEデスクトップ編
Gnomeデスクトップ編
「これがシステムです」と言われても...
これでは、インストールする個々のソフトウェアが選べませんね。実は、ウィンドウの左下(キャンセルボタンの上あたり)にある「詳細」ボタンをクリックすればよいのです。
以前のように、個々のソフトウェアを選べるようになった
これは「従来の方法」が選択された状態(デフォルト)
ズバリ、持ち運べないパソコンで有線ケーブルを使っている人は、「従来の方法」でオッケーです。上の図のまま進みます。
「NetworkManager」は、ノートパソコンで無線にしたり有線にしたり、無線でつなぐネットワークが家のLANだったり外のフリーアクセスだったりと、環境を切替えることが多い場合に役立ちます。
加えて、「いつも無線LANなんだけど、ときどき起動時に接続シクるんだヨ」というような少し心配な環境でも、状況がわかりやすくて重宝したりします。
NetworkManagerを使ってみたい場合は、上手で「NetworkManagerの有効化」をクリックします。するとどうなるか?はKDEのデスクトップの説明の中で御紹介します。
どちらの場合も、ネットワークの設定そのものは有線・無線LANともに、本書の通り変わりありません。
ホスト名を指定するウィンドウが必ず出る
ホスト名、ドメイン名は、家庭で個人のパソコンなら自由に設定してください。「DHCPでホスト名を変更する」にデフォルトでチェックがついていますが、やはりカワイイ一意の名前をつけてあげたほうが楽しいという人ははずしておきます。
その下「Write Hostname to /etc/hosts」とあります。これは何でしょうか?...「/etc/hosts」というのは、ホスト名とIPアドレスの対応表です。二、三台のコンピュータでコジンマリしたLANを組んでいるような場合、このファイルにお互いのホスト名とアドレスを書き込んでおけば、DNSサーバがなくてもホスト名同士で通信できるのです。デフォルトではチェックがついていますが、あえてはずすこともないでしょう。あまり案ずることはない設定です。
上記画面で「詳細」はクリックしないほうがよいでしょう。詳細を見るためにサーバに接続することになりタイヘン時間がかかるからです。上記画面の下のほうに「次へ」というボタンがありますからそれをクリックすると、「サーバとの通信中です」という小ウィンドウが現れます。
サーバとの通信中と出る
こういうときに「中止」ボタンを押すとロクなことはないものです。失敗すればエラーウィンドウが出ますから、マンガでも読んで待っていてください。次に、NovellのカスタマセンターからopenSUSEのアップデート情報をダウンロードするウィンドウになります。
アップデート情報のダウンロードが始まる
と思ったら、こんどは「インストールソースを設定中」と出ます。これは、アップデート用の適当なミラーサイトを設定してくれているのです。これも時間がかかる場合があります。ここまで来るともう中止ボタンもありませんから、まな板の鯉の心境ですね。
オンラインアップデートソースを設定中
「正常に設定できました」というウィンドウが出ます。「OK」をクリックして、ようやく次に進むことができます。
待った甲斐がありました
あまり脅かしすぎてもいけませんね。筆者がこれらのスクリーンショットを録ったときは、それぞれ画面の切り取りをしてファイルを保存する前に次のステップに移ってしまいあわてるほど早く進んでくれました。しかし、openSUSE10.2が出たばかりのときは登録者が多かったのか?相当待たされたこともあったので、念のためお断りしておこうと思ったのです。
放置された?赤パッチ
「しょうがねえな、手動でやれってか」などとチェックを始めてしまってはいけません。これらのパッチの前に、まずアップデートソフトウェア自体がアップデートされるのです。Windows Updateをよくされる方は、「アレかよ」と思われることでしょう。ソレです。このまま、大きな画面の右下にある「了解」をクリックして、自動アップデートを始めてください。
1回目のアップデートはなるほど早く終わります。ステータスバーの伸びるのが遅いかも知れませんが、やがてググッと伸びて完了します。100%になり「完了」ボタンが有効になったらそれをクリックします。すると、「パッケージのパッケージによるパッケージのための...が完了」というウィンドウが出ます。
御存じアップデータのアップデート
「OK」をクリックすると、再起動するのはYaSTの画面だけです。そして今度はたくさんのチェックが入っています。
YaSTの再起動後にはチェックが入った
あまり喜んでもいられませんネ、これだけのアップデートを待たなければならないわけですから。いくつかの確認事項やライセンス許諾事項のウィンドウが表れて確認させられた上、今度は結構長い時間アップデートに待たされます。途中でもう二、三確認のウィンドウが表れることもありますので、あまり油断しないほうがよいと思います。
カーネルのアップデートがあった場合は、システムが再起動します。
システムの再起動なども行われる
不幸なときにはこれを二、三度繰り返さなければならないこともありますが、待ってクリックすればよいだけの話ですから、まあ御辛抱ください。
Kメニューに尾頭つきで登場
このGeekoアイコン、実はカーソルを近づけると色が赤く変わったり、カーソルを目で追ったりするのです。可愛くて死にそうですね。
それはそうと、このGeekoアイコンをクリックすると、出てくるメニューは前のバージョンとはかなり違ったものになります。
ガラリと変わったメニュー。変色Geekoも激写
個々のアプリケーションを選択したい場合は「アプリケーション」タブをクリックします。
「アプリケーション」タブで現れたメニュー
右側にサブメニューへの三角印がありますが、カーソルを近づけるだけではダメで、クリックしないと進めません。サブメニューから元のメニューに戻るには、左側の三角印をクリックします。
三角印をキッチリクリックしながら前進・後退
実は、これは「SUSEメニュー」というSUSE独自のツールです。従来の「Kメニュー」に戻したい場合は、Geekoアイコンを右クリックして「Kメニュースタイルへ切り替える」を選びます。
多くの情報や、場所へのリンクが表示された「マイコンピュータ」
「SUSEメニュー」の「コンピュータ」タブにも「ネットワークフォルダ」という項目があります。そもそもは、Konquerorブラウザで「remote:/」と場所を指定してやることができます。他にもいろいろネットワークフォルダへのリンクはありますから探してみてください。
これは「Anthy」で日本語入力モードになっている場合のアイコンです。図柄が変わっただけです。
オープンソースのデスクトップ検索ツール「Beagle」をKDEで使えるようにした「KerryBeagle」です。本書の方針としてデスクトップ検索の詳細は専門書に任せることにします。ただ、「デスクトップ検索は不要」という人のために、コレを無効にする方法を御紹介します。アイコンを右クリックするとメニューが現れ、「終了」を選ぶことができます。
すると、この次は自動起動するかどうか尋ねるウィンドウが現れます。自動起動しないように選択すれば、もうシステムトレイには現れなくなります(ちょっと可哀想ですが)
無線LANにつながっている
有線LANにつながっている
接続失敗
最近のLinuxはハードウェアへの対応が向上しており、よほど怪しいか最新すぎるネットワークアダプタでなければ、有線LANが失敗するということはまずないでしょう。「接続失敗」が懸念されるのは、無線LANの場合と思います。
それにしても、Intelのワイヤレスモジュールであれば、「IPW2100/2200」と呼ばれるLinux用の信頼性の高いドライバが普及しています。SUSE 10.0ではその対応に不具合があり、設定ファイルを編集することで回避していましたが、openSUSE10.2では解決しています。ですから、接続失敗の原因として考えられるのは、認証の失敗です。
インストール時にYaSTで設定した無線LAN用の暗号化方式もしくはキーの設定そのものが間違っているか、正しくてもたまたま、アクセスポイントとの交渉が失敗したかです。
いずれの場合も、この「NetworkManager」で接続し直すことができます。システムトレイのアイコンを右クリックしてください。「KNetworkManager」であれば、下図のようなリストが出れば、ハードウェアはちゃんと機能しているが認証が失敗している、ということになります。
上図は物理的に探知されるアクセスポイントが二つある例です。具体名は伏せさせていただきます。このうち、自分がアクセスしたい(できる)方をクリックします。すると、認証の設定ができます。
これは、その「IPW2200BG」モジュールを使っている例です。暗号化方式、認証方式、キーなどを環境に合わせて正しく入力してください。
設定すると、接続確立には少し時間がかかります。ステータスバーが表示されるので状況がわかります。完了すると下図のようにアイコンが「接続状態」に変わります。
YaSTで行った設定と比べてみてください。「やっぱり間違っていた」というのなら、YaSTの設定を直せば次からは楽々自動接続できるかも。「おんなじ設定をしたのに」というのなら、次回は運よく自動で行けるかも....
人によってはこんなアイコンかも知れません。
これは、実はもうひとつの「ソフトウェアアップデートツール」です。
「YaST」で「オンラインアップデート」をするのと全く同じです。ただし、こちらは大規模なサーバ/クライアントシステムで、多数のクライアントを完全自動一括管理...というのに威力を発揮するもの(らしい)です。
二つのアイコンのうち後者は、「オンラインアップデート可能なデータがある」という印です。「Novellカスタマセンタへの登録」を済ませた場合は、このように自動検知してくれます。一方前者の場合は使用できるアップデートはないので、右クリックしても左クリックしてもたいしたモノは出ません。
さて、ビックリマークの場合、クリックしてみましょう。以下は「アップデータをアップデート」する二段階のアップデートをする場合です。
まずは、アップデータのアップデートが示されます。
アップデータのアップデートがひとつだけ
ここで、「更新する」ボタンをクリックするといきなりエラーメッセージが出ます。
ガーン。でも大丈夫。このエラーの画面で「権限ユーザの追加」をクリックしてください。すると、ルートユーザのパスワードを要求されます。入れてやると、「ユーザが追加されました」というウィンドウが出ます。改めて、「更新する」ボタンをクリックしなおしてください。今度は更新作業が始まります。
依存関係などを処理したあと、「コレをインストールします」という宣言が出されます。依存パッケージがある場合はそれも加えて表示されるはずです。
「適用」をクリックしてください。しばらく待たされます。
インストール中の画面。段階に応じて下のステータスバーに「ナニナニをしています」が表示される
「アップデート成功」のウィンドウが出ます。
これを閉じると、アップデータの画面は自動で更新され、アップデートできるようになったパッケージのリストが表示されます。
「更新する」をクリックすると、まあ、パッケージ数だけ待たされます。全てアップデートが成功して、「もうお腹いっぱい」という表示になれば完了です。
こうなれば完了
YaSTかこちらか、お好きな方を使ってください。どちらも手間や時間は同じようなものです。
「オペレーティングシステムを再起動する」を下のほうから引っ張り出す
どのOSを再起動するか選ぶことができます。これは同じopenSUSE10.2のKDE版とGnome版をマルチブートにしている場合です。
OSを指定する
Gnomeでもやはりメニューが変わりました。まず、パネルが下に置かれるようになりました。そして、全体的に簡素というか、さみしいです。「コンピュータ」と書かれた部分をクリックしてみましょう。
これだけ?という感じですね。では、そこにある「他のアプリケーション」というボタンをクリックしてみましょう。
今度はたくさん現れました。
さて、お気に入りのアプリケーションには、あまりお気に入りそうなものがありませんね。これらはそれぞれ右クリックして「お気に入りからの削除」を選択すれば消えます。
一方、「他のアプリケーション」でしか表示できないアプリケーションは、右クリックして「お気に入りへの追加」を選べば、「お気に入り」に入ります。こうして、「真にお気に入り」のメニューが作れます。
よりお気に入られそうなメニューになった
なお、右クリックしたときに現れる「起動プログラムへの追加/削除」という項目は、追加すると、OSが起動もしくはログインしたときにそれが自動で起動するという設定です。
これを選択して「追加」をクリックすると、パネルに小さなアイコンが追加されます。
これをクリックすれば、本書のような「サーバへ接続」設定ウィンドウが開きますから、同様に設定をしてください。
それがめんどくさい場合は、nautilusの「場所」欄に、直接入力します。
FTPの場合:ftp://(ftpサーバのアドレス)
Windows共有の場合:smb://(Windows共有サーバのアドレス)
「なし」をクリックするとアイコンのリストが
謎の動物のアイコンは下のほうにある
ランチャができたら、そのアイコンをパネルまでドラッグドロップすると、アイコンになります。