「はじめてのJavaFX」(工学社刊)サポートページ

JavaFX「プラグイン」を利用するためのIDEのインストール法・起動法

本書の付録ではJavaのIDE(統合開発環境)「Eclipse」および「NetBeans」で、JavaFXプログラムを用意に開発するための「プラグイン(追加機能)」の導入のしかたを説明しました。
でも、「この機会に今まで使ったことのないIDEというものを使ってみようか」と思った方、それはタイヘンよいことですので、サポートページにて詳説したいと思います。

Eclipse


Eclipseに必要なもの

Eclipseの動作にはJava実行環境(Runtime Environment,JRE)が必要です。これは本書でJavaFXのためにインストールしたものと同じです。
ですからすでに本書を実践している場合はすでに必要を満たしています。

Eclipseの入手

Elipseは、そのホームページ

http://www.eclipse.org

に行くと最新版のダウンロードリンクがありますが、「プラグインが3.2.2用なら、本体もやっぱり3.2.2用を使いたい」という場合、いろいろなバージョンを以下のURLから入手できます。

http://download.eclipse.org/eclipse/downloads/

ここには、3.2版用の日本語表示(メニューや設定ウィンドウなど上っ面の話で、作成するプログラムには英語版でも日本語が問題なく使えます)を可能にする「Langage Pack」もリストアップされています。

このリンクを経由して、以下のものをダウンロードすると(Windowsの場合)、ちょうどeclipse-3.2.2系の開発環境が揃います。

eclipse-SDK-3.2.2-win32.zip(本体)
NLpack1-eclipse-SDK-3.2.1-win32.zip(多国語化パック)

多国語化パックは多少バージョンが古くても、一部英語のままが表示されるかも知れない程度で、それほどの問題にはなりません。


Eclipseのインストールと起動

Eclipseは、インストーラが起動していろいろな設定をする、ということはありません。まず、本体eclipse-SDK-3.2.2-win32.zipを展開すると、「eclipse」というフォルダができます。その中に「eclipse.exe」があるので、それを実行するだけです。




図1 「eclipse」というフォルダの中の「eclipse.exe」をダブルクリックするだけ

次に多国語化パックをインストールします。

NLpack1-eclipse-SDK-3.2.1-win32.zipを展開すると「eclipse」というフォルダができます。その下にさらに「features」「plugins」というフォルダがあります。それらを開けるとたくさんのフォルダやファイルが見えます。
一方、図1の本体にも「features」「plugins」というフォルダがありますね。
そこで、多国語化パックの「features」及び「plugins」フォルダの中身(たくさんのフォルダやファイル)を、本体の「features」及び「plugins」フォルダへ全部コピーします。

これでEclipseを再起動します。



*Eclipse3.3を使用する場合、サードパーティーの日本語化プラグインが使えます。

http://mergedoc.sourceforge.jp/index.html#/pleiades.html

ただし、上記のインストール方法と多少異なります(「eclipse.ini」ファイルをひとこと修正するなど)ので、文書をよく読んで利用してください。

Eclipseを実行すると、作業場所をどこにするかきいてきます。




図2 作業場所は毎回確かめるようにしよう

「この選択をデフォルトとして使用し...」というチェックボックスをオンにすると、以後この質問は現れません。しかし、今のワークスペースがどこだったか忘れると厄介なので、チェックは入れないで、毎回確認したほうがよいと思います。


NetBeans


NetBeansに必要なもの

NetBeansを使うには、Javaの実行環境「JRE」だけでなく、開発環境「JDK(Java Development Kit)」も必要です。
でも、大丈夫。NetBeansのダウンロードサイトから、一緒にダウンロード・一緒のインストーラでインストールできます。
なお、このとき実行環境「JRE」も所定の場所にインストールされますから、「最初っからNetBeansでやって、あとEclipseやコマンドプロンプトも試してみよう」という人は、本書の方法でJava(厳密にはJREのこと)をインストールする必要はありません。

NetBeansの入手

NetBeansの入手は、結構面倒です。いろいろな場所へのリンクをクリックさせられるのです。でも今導入しておけば今後JavaFXやJavaの開発に重宝できますし、二度目からは必要なページのURL(やブックマーク)を自分で直接指定して行くこともできるでしょう。
なお、訪問する各ページのスクリーンショットでも掲載すれば親切なのでしょうが、人様が公開しているWebサイトの画像を別のWebサイトで無断公開するのは望ましいことと思いませんので、文章のみで説明させていただきます。

(1)NetBeansのダウンロードサイトに行く

以下のURLに行きます。

http://www.netbeans.org

いきなり「Download NetBeans IDE」というボタンがあります。クリックすると、日本語の画面に飛びます。
そこに、いろいろなバージョンのNetBeansやその補助ツールのダウンロードリストがあります。まだJDKというものをインストールしていない人は、画面を下のほうにスクロールして、「Download NetBeans IDE with JDK」を選びます。
これにはJDKのバージョン6.0用と5.0用が揃っています。以前のバージョンJDK5.0を使いたいという人もいるからです。わたしたちはJDK6.0用を選びます。

(2)SunのJavaダウンロードサイトに飛ぶ

するとまた英語のダウンロードに飛ばされますが、大丈夫。右のほうに「日本語版」へのリンクがありますから、クリックします。
そこでさらに「Download」をクリックすると、今度はJavaのダウンロードページへ飛びます。
「JDK 6u2 with NetBeans 5.5.1」と書いてあるところにある「ダウンロード」ボタンをクリックします。
これが終点一歩手前、WindowsやLinuxなどいろいろなバージョンのダウンロードリンクに行きます。Windows版なら「jdk-...nb-...win-ml.exe」というような名前のファイルです。「-ml」というのが「多国後対応」です。

(3)使用条件に同意したらダウンロード

一歩手前、というのはこれをクリックしてダウンロードに入る前に、使用条件に合意する必要があるからです。赤で「Required」と書いてある場所を見てください。
「Review License Agreement」と青で書いてあるリンクから、使用条件条項を見ます(英語ですが)。同意することにしたなら、ラジオボタンの「Accept」を選択します。

これでようやくダウンロードにこぎつけます。


NetBeansとJDKのインストール

入手できるファイルは、本書作成時点で、jdk-6u2-nb-5_5_1-win-ml.exeです。




図3 JDKがバンドルされたNetBeansのインストーラ

これをダブルクリックするとインストーラが立ち上がりますが、次へ進むと、またしてもライセンス契約条件への同意を求められます。




図4 NetBeansインストーラの開始


図5 すぐにライセンス同意を要求される

同意すると、JDK及びNetBeansのインストール先を確認する画面になります。ここで、どちらを他の好きな場所に変更しても構いません。本書を実践するのであればデフォルトで特に問題はありません。




図6 インストール先の確認

設定はこれだけです。あとは「次へ」をクリックしていくとインストールが始まります。 下のような「成功しました」という画面で完了です。「終了」をクリックしてウィザードを閉じます。




図7 インストーラの完了画面。なお、この画面ではインストール場所をデフォルトから変更してある

デスクトップやスタートメニューにスタートアイコンが作成されるので、そこから起動できます。




図8 NetBeansの起動アイコン

実は、本書のサンプルプログラムも、作成はIDE(NetBeans)で行い、最終的にコマンドプロンプトで動作確認をしています。最初は「勉強のため」「タイプ練習のため」テキストエディタでスクリプトを作成し、失敗や悩みを糧にするのもよいとは思いますが、「タイプミスで苦労するから」プログラミングを嫌いになってしまうよりは、IDEでプログラミングを楽しむほうがハッピーでしょう。